こんにちは。日差しが暖かくなり、お外で過ごすのが本当に気持ちいい季節になりましたね。お散歩の時間を長くしたり、週末にはちょっと遠くの公園まで足を延ばしたり、計画を立てているご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな楽しい毎日を、家族みんなが安心して過ごすために、今日は絶対に知っておいてほしい「マダニ」について、少し詳しくお話ししようと思います。
(以前(2018年)掲載した「マダニがまずい」に加えて、近年の動向も少し踏まえた内容になっています。)
「マダニ」って、ただの虫じゃないの?
みなさん、「マダニ」のワードは最近よく聞くと思いますが、どんな虫かご存じですか?
「え?家にいるダニと一緒でしょ?」って思うかもしれないけど、実は全然違うんです。

家の中にいる小さなダニとは違って、マダニは屋外の草むらに潜んでいます。血を吸う前は数ミリくらいですが、ワンちゃんやネコちゃんの血を吸うと、パンパンに膨らんで小豆くらいの大きさになることもあります。
「うちは都会だから大丈夫」って思っていませんか?
ここ川崎市中原区でも、みなさんがお散歩でよく行く公園の茂みや
などの草むらには、マダニが潜んでいることがあります。だから、都会に住んでいても油断はできないのです。
マダニが運んでくる怖い病気「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
マダニが本当に怖いのは、血を吸うことだけじゃありません。病気のウイルスを運んでくることがあるからなんです。その中でも特に注意してほしいのが、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。
簡単に言うと、SFTSウイルスを持ったマダニに咬まれることで感染し、
などの症状が出て、ひどい場合には命を落とすこともある、とても怖い感染症です。

そして、このSFTS、最近ますます注意が必要になっています。
以前は西日本が主な発生地域だったのですが、ここ数年でじわじわと東に広がり、今では関東地方でも患者さんの報告が増えています。神奈川県内でも、マダニからSFTSウイルスが見つかったという報告があります。
つまり、もう「遠い地域の病気」ではなく、「私たちのすぐそばにある危機」なんです。だからこそ、川崎市に住む私たちも、正しい知識を持って備えることがとても大切になっています。
ワンちゃん・ネコちゃん、そして私たちへの影響
1.ペットへの感染
ワンちゃんでは元気や食欲がなくなり、熱が出ることがあります。一方、ネコちゃんでは特に重症化しやすく、命を落とすケースも報告されています。
2.人間への二次感染
そして、一番知っておいてほしいのは、SFTSに感染してしまったワンちゃんやネコちゃんから、私たち人間にも感染する可能性があるということです。具合の悪い子のお世話は特に注意が必要で、お世話をしていた飼い主さんや治療した動物病院スタッフが感染して亡くなった報告もあります。
ワンちゃん・ネコちゃんをマダニから守ることは、家族みんなの健康を守ることに直結します。
今日からできる!マダニ対策
普段のお散歩から、特別なお出かけまで、シーンに合わせた対策をしていきましょう。
1.予防薬を必ず使おう
動物病院で処方するマダニの予防薬を、毎月しっかり使ってあげましょう。首筋に垂らすスポットタイプや、おやつみたいに食べるチュアブルタイプなど、いろいろな種類があります。その子に合ったものを一緒に選ぶことができます。
これらのお薬は、たとえマダニ付着して血を吸い始めても、素早くマダニをやっつけてくれる効果があるため、感染のリスクを低下させます。しっかり予防することで、SFTSのような怖い病気の感染リスクをぐっと下げることができます。
近年は、よくお散歩するご家庭では通年で予防することを推奨しています。
実は、、、市販のノミやマダニの予防薬は効果が出るまでに時間がかかることや、そもそも不十分である可能性があります。
一方で病院が処方する駆虫薬には、早いもので投与後4時間でマダニをほぼ 100% 駆除できる薬もあります。
マダニは皮膚に食いつき吸血を始めると、数日から10日程度吸血を続けます。
駆除が早ければ早いほど病気の感染リスクは下げられるはずですので、心配な方は薬の種類もスタッフにご相談ください。

2.草むらには気をつけて
お散歩時は、草が生い茂っている場所や藪の中への立ち入りを避けることも有効です。
また、ワンちゃんネコちゃんだけでなく、飼い主さん自身もマダニから身を守ることが大切です。草むらに入るときは、「肌の露出をできるだけ少なくする」のが基本です。
3.帰宅後は体をチェックしましょう
お散歩から帰ったら、ワンちゃんネコちゃんの体をチェックする習慣をつけましょう。特に、目や耳の周り、足の指の間、お尻の周りなど、毛の少ないところは念入りに見てあげてください。
4.もし見つけたら、自分で取らないで
もしマダニがくっついているのを見つけても、“絶対に無理に引っ張って取ろうとしないでください!”
マダニの口の部分が皮膚の中に残ってしまって、そこが化膿したり、病気の感染リスクを高めたりすることがあります。
見つけたら、慌てずにそのままの状態で病院に連れてきてください。私たちが安全に処置します。
5.特にねこちゃんには注意
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はネコちゃんで重症化しやすいようです。
病気の予防で最も有効だと考えられるのは飼い猫は外には出さないことです。外はマダニ以外にも感染症や交通事故など危ないことが沢山です。
この機会に、お家の中で過ごせる環境を検討頂くのはよいと思います。

外で弱っている地域猫を保護する時には気を付けて下さい。保護する際には肌の露出をなるべく避け、ケガには注意してください。そして、最後にお願いがあります。
外出する子、地域猫で弱っている子を動物病院へお連れ頂く際には、来院前に連絡を下さい
事前にご連絡をいただくことで、私たちは他の動物や飼い主さん、スタッフへの感染を防ぐための準備をすることができます。みんなの安全を配慮して診察を行うための、大切なお願いです。
【特に注意!】キャンプやハイキングにお出かけする皆さんへ
キャンプや山登り、自然豊かな公園のドッグランなど、郊外ではマダニの生息密度が都市部よりも高いと考えられます。
出発前にマダニ予防薬の投与が済んでいるか必ず確認し、現地ではむやみに藪や草むらに入らないようにしましょう。
そして、帰宅後は、ワンちゃんネコちゃんも飼い主さんも、いつも以上に入念に体をチェックしてくださいね。

マダニは小さいけれど、あなどれない相手です。正しい知識を持って、きちんと予防することはとても重要です。
大切な家族であるワンちゃん、ネコちゃん、そして飼い主さん自身を守るために、今日からマダニ対策を始めていきましょう。
何か分からないことや心配なことがあったら、どんな些細なことでも、いつでも気軽に私たちに相談してくださいね!
ヴィータ動物病院
佐藤元気
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